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No.025 Recipe

ハンドドリップの注ぎ方で味はどう変わる?一湯式・多湯式・4:6メソッド・Hoffmann式の違い

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ハンドドリップの注ぎ方で味が変わる理由と、一湯式・多湯式・4:6メソッド・Hoffmann式の違い、注ぐ高さや位置の考え方を初心者向けに解説します。

ハンドドリップの注ぎ方で味が変わる理由と、一湯式・多湯式・4:6メソッド・Hoffmann式の違い、注ぐ高さや位置の考え方を初心者向けに解説します。

はじめに

ハンドドリップでコーヒーを淹れていると、次のような疑問が出てくることがあります。

  • 何回かに分けて注いだ方がいいのか
  • ずっと注ぎ続けた方がいいのか
  • 4:6メソッドは普通の淹れ方と何が違うのか

同じ豆・同じドリッパー・同じお湯の量でも、注ぎ方を変えるだけで味は変わります。 この記事では、代表的な注ぎ方の違いと、注ぐ高さや位置の考え方を見ていきます。

「正しい注ぎ方を1つ覚える」のではなく、飲みたい味に合わせて注ぎ方を選べるようになることが目標です。

注ぎ方で味が変わる理由

ハンドドリップでは、粉の上から注いだお湯が粉のすき間を通り、コーヒーの成分を溶かしながら下へ落ちていきます。 この成分を引き出すことを「抽出」といいます。

注ぎ方を変えると、次の3つが変わります。

  • 粉とお湯が触れている時間
  • 粉がどれくらい動くか
  • ドリッパーの中の液面の高さ

抽出が足りないと酸味が目立ち、甘みや余韻が物足りなく感じることがあります。 反対に進みすぎると、苦味や舌が乾くような渋さが出ることがあります。 注ぎ方はこの「どれだけ成分を引き出すか」を調整する手段のひとつです。

味は注ぎ方のほかに、挽き目・湯温・粉とお湯の比率でも変わります。 それぞれの基本は次の記事で解説しています。

一湯式と多湯式は何が違う?

注ぎ方は大きく分けると「続けて注ぐ方法」と「何回かに分けて注ぐ方法」があります。

一湯式(連続注湯)

蒸らし(最初に少量のお湯で粉全体を湿らせ、ガスを抜く工程)のあと、お湯をなるべく途切れさせずに注ぐ方法です。

液面をある程度高く保てるので、ドリッパーの中の温度が安定しやすくなります。 細かく何度も注ぐより粉を動かしにくく、味が安定しやすいのも特徴です。

ただし、注ぐ速さが速すぎるとお湯が短時間で抜けてしまいます。 V60(HARIOの円すい形のドリッパー)のように湯抜けの速いドリッパーでは、挽き目とのバランスが大切です。

多湯式(パルス注湯)

お湯を3〜5回程度に分けて注ぐ方法です。 たとえば240gのお湯なら、40gで蒸らし、そのあと50gずつ数回に分けて注ぎます。

注ぐたびに粉が動き、新しいお湯が加わるので、抽出を進めやすいのが特徴です。

一方で、回数を増やしすぎると抽出時間が長くなったり、湯温が下がったりします。 微粉(挽いたときに出る細かい粉)がフィルターを詰まらせ、湯抜けが遅くなることもあります。 「分ければ分けるほどおいしくなる」わけではありません。

4:6メソッド:注ぐ量と回数で味を調整する

代表的なレシピのひとつが、粕谷哲氏の「4:6メソッド」です。 使うお湯を前半40%と後半60%に分けて考えます。

代表的なレシピはコーヒー20g・お湯300gです。 300gを60gずつ5回に分け、1回注いだらお湯がある程度落ちてから次を注ぎます。

前半40%で味の印象を変える

最初の120gを2回に分けます。 標準は60g+60gです。

50g+70gにすると甘さを、70g+50gにすると酸味を強調する方向になる、という調整方法が紹介されています。

後半60%で濃さを変える

残りの180gは標準では60gずつ3回です。 回数を減らしたり増やしたりして、濃さを調整します。

4:6メソッドは粗めの挽き目を使います。 「細かく挽いて流れを遅くする」より、「注ぐ量と回数で抽出をコントロールする」考え方です。 同じ豆で注ぐ量だけを変えて比べやすいので、記録しながら試すのにも向いています。

Hoffmann式:均一に濡らして抽出する

もうひとつ有名なのが、James Hoffmann氏が紹介しているV60の淹れ方です。 代表的なレシピでは、コーヒー30g・お湯500gを使います。

4:6メソッドと比べると、こちらは「粉全体を均一に濡らし、効率よく抽出する」ことを重視しています。 最初に粉全体をしっかり濡らして蒸らし、そのあとは比較的まとまった量のお湯を注いでいきます。

特徴的なのが「スワリング」です。 ドリッパーを軽く回して、粉とお湯をなじませる動作のことです。

蒸らしのとき、粉の内部に乾いた部分が残ることがあります。 スワリングでその部分までお湯を行き渡らせ、抽出のムラを減らします。

ただし強く回しすぎると、微粉がフィルター付近に集まって湯抜けが遅くなることがあります。 あくまで均一に濡らすための、軽い動作と考えるとよいでしょう。

V60を含めたドリッパー別の淹れ方はV60・カリタウェーブ・メリタで淹れ方はどう違う?ドリッパー別レシピ完全ガイドで比較しています。

注ぐ高さと位置も味に影響する

高い位置から注がない

高い位置から勢いよく注ぐと、粉が大きく動きます。 適度に動くのは抽出を助けますが、強すぎると粉の層が崩れ、場所によってお湯の通り方が変わってしまいます。

このように一部だけお湯が通りやすくなる状態を「チャネリング」と呼びます。 酸っぱいのに苦い、という味になったときは、注ぐ勢いを見直してみてください。

基本は粉を大きく動かさない程度の低い位置から注ぐことです。 注ぐ量や速さを調整しやすいドリップポットがあると、高さも安定させやすくなります。

フィルターの端までは注がない

円を描くように注ぐときも、ペーパーフィルターのきわまでお湯をかける必要はありません。

外側に注ぎすぎると、お湯が粉を通らずにフィルターの側面から抜けてしまいます。 これを「バイパス」と呼びます。 バイパスが多いと、抽出したコーヒーにあとからお湯を足したような薄い味になります。

中心から外へ円を描き、端までは行かないくらいを意識するとよいでしょう。

どの注ぎ方を選べばいい?

ハンドドリップに絶対的な正解はありません。 目的に合わせて、基準にする注ぎ方を選ぶのがおすすめです。

目的向いている注ぎ方
毎日の味を安定させたい一湯式(連続注湯)のシンプルなレシピ
味を細かく調整してみたい4:6メソッド
浅煎りの豆の香りや酸味をはっきり出したいHoffmann式

大切なのは、選んだ方法をそのまま信じるのではなく、基準のレシピとして使うことです。

まとめ:基準の注ぎ方を決めて、ひとつずつ変える

注ぎ方は粉とお湯が触れる時間・粉の動き・液面の高さを変え、それによって味も変わります。

まずは一湯式・4:6メソッド・Hoffmann式のどれかを基準に決めてみてください。 そのうえで「注ぐ回数だけ」「前半の配分だけ」のように、1回にひとつだけ変えて味を比べます。

比べるときは、粉とお湯の量を正確に量れるスケールがあると条件をそろえやすくなります。

変えた条件と味を残しておくと、自分の好きな注ぎ方が少しずつ見えてきます。 記録の始め方は毎日のコーヒーを記録すると何がわかる?抽出ログの始め方にまとめています。

味は、色になる。

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